その答えのひとつとして、川端康成が亡くなってから50年が過ぎ、中国での著作権保護期間が終了し、誰でも出版する権利が得られる「パブリックドメイン」状態になった点が挙げられます。
各国の著作権の保護期間は異なり、日本は従前、国際的な条約を基盤にして、作者の死後「50年」と定めていました。
だが、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の成立により、2018年にこの期間は「70年」に拡張されました。
それに対して、中国の著作権の保護期間は今も「50年」。
1972年に逝去した川端康成の著述は、日本では著作権がまだ有効ですが、中国では今、自由に出版が許可されています。
中国のメディアは「川端康成死後50年、“パブリックドメイン競争”が激化」というタイトルのニュースを、多種多様な表紙イメージと共に公開しています。
2021年に中国で著作権が切れた三島由紀夫に次いで、日本の名作家の著作をどのようにプロモーションするか、出版関係者が競争しているとの情報が流れています。