日本通訳者協会の最新調査では、通訳・翻訳資格を取得した者の数が2022年度には前年度より10.7%増加し、約40,000人に到達しました。
これは2015年度の倍近くですが、それでも通訳の必要性の高まりには遠く及ばない状況です。
通訳不足を深刻化させている主な理由は以下の通りです。
・グローバル化により、国際ビジネスや外国との取引が増加しており、それに伴い通訳への需要が増えています。
・AI翻訳技術の普及は、翻訳のコストと時間を削減しており、これが通訳への需要を一層増やしています。
・働き方が多様化し、リモートワークや副業が広がることで、通訳者の活動の幅が拡がっています。
この通訳者不足はビジネス交渉や国際会議の障害となり、また観光業界では外国人旅行者とのコミュニケーションの障害が発生しています。
通訳者不足の問題を解決するためには、特に以下のような施策が求められています。
・通訳者の育成や確保を強化し、教育機関の拡大や資格取得への支援を進める必要があります。
・AI翻訳技術と通訳者の協業を推進し、通訳者の負担を軽減し、彼らの活動の幅を広げることが望まれます。
将来にわたり通訳者の不足は深刻化する可能性が高く、通訳者の養成とAI翻訳との連携などの取り組みを通じて、この問題に立ち向かうことが重要です。
記事の要旨
・通訳者への需要はグローバル化やデジタル化の進展に伴って増大している。
・通訳者の数が十分でなく、その不足が深刻な問題となっている。
・通訳者の不足を避けるためには、育成の強化とAI翻訳との協力が必要である。