翻訳を依頼するポイント
翻訳を外部の専門機関に依頼する際には、単に原稿を提供するだけではなく、期待される翻訳品質とニーズに応えるために注意すべきポイントがいくつか存在します。
ここで紹介するポイントを押さえることによって、翻訳結果がより精度高く、使いやすいものになるでしょう。
まず、翻訳を行う目的と対象読者を明確に伝えることが重要です。例えば、専門的な内容を一般の人向けに説明するための翻訳か、専門家同士のコミュニケーションを目的とする翻訳かで、言葉遣いや表現方法は大きく変わってきます。
また、翻訳の締め切りや形式、特定の用語の使用有無など、具体的な要望を伝えることも、期待する成果物を得るために必須です。
加えて、原稿の準備。提供するテキストは最終稿であることを確認し、可能であれば関連する資料や用語集、過去に行われた翻訳のサンプルを同時に提供すると、翻訳者がより正確な翻訳を行いやすくなります。
翻訳を依頼する際の注意点
翻訳依頼を成功させるためには、注意すべき点がいくつかあります。それらに留意することで、無用な誤解を避け、スムーズに進めることが可能になります。
依頼する際には、翻訳の専門分野や難易度を考慮し、翻訳会社が提供するサービスの範囲と翻訳者の専門性を理解しておくことが重要です。
また、翻訳の質を左右する原文の品質にも気を付ける必要があります。不明瞭な表現や誤字脱字が多い原文では、翻訳の品質も低下する可能性があります。
予算と納期のバランスにも注意が必要です。高品質な翻訳を短時間で求める場合、それに応じた費用が発生することを認識し、現実的な納期設定を心がけましょう。
さらに、翻訳結果に対するフィードバックを提供することで、将来的にさらに良いサービスを受けるための基盤を作ることができます。
これらのポイントと注意点を意識することで、翻訳依頼が効率的に、そして満足度の高い結果に結びつくでしょう。
翻訳依頼のプロセス
翻訳依頼の流れ
- ニーズの確認
- 見積もりの取得
- 注文の発注
- 翻訳者や校正者の選定
- 翻訳作業の実施
- 校正作業
- 最終確認
- 成果物の納品
このうち、作業の4〜7番は翻訳業者が担当しますので、依頼者は成果物を待つ期間になります。
依頼の詳細に基づき、適切な翻訳者を選出し、必要に応じてネイティブチェックや専門の校正などが行われることが一般的です。
翻訳が完了した後、第三者が原文と訳文を照合し、誤訳や漏れがないかを精査。さらに、「7. 最終確認」で翻訳コーディネーターが最終チェックを行い、品質保証をします。
ニーズの確認のポイント
依頼プロセスの中で、特に依頼者が関与するのは1〜3と最後の納品です。これらの中でも、「ニーズの確認」が特に重要です。
ニーズ確認のチェックリスト
原文の提供 翻訳方法の選定 文書の概要と使用目的 納期のスケジュール 納品形式の指定 翻訳を省略する部分参照資料や用語集の提供 その他の特別な要望
特に原文の有無は、見積もりや納期の算定に不可欠です。翻訳方法では、言語ペアの指定はもちろん、文体の選択も重要です。文書の概要と用途を把握することで、最適な翻訳者の選出につながります。
見積もりと発注
ニーズ確認後、具体的な費用と納期の見積もりを提供します。作業範囲に変動がある場合は概算見積もりとなることがあります。
見積もりを確認後、発注を決定される際にも、見送る際もその理由を共有いただけると、再見積もりにつなげられます。
納品
すべてのプロセスが終了したら、納期内に成果物を提供します。基本的には、目的に沿った高品質の成果物を提供することを目指していますが、必要に応じて納品後に修正を行うこともあります。
まとめ
翻訳を依頼する際には、全てを翻訳会社任せにするのではなく、原文など求められたものを質高く提供するなど、コミュニケーションが重要です。
翻訳作業に入ってしまえば、基本は任せているだけで大丈夫ですが、納品後にフィードバックをするなど、今後の仕事がスムーズにできるような関係性を構築することも必要でしょう。
そうした中で、信頼できる翻訳会社または翻訳者を見つけることができたら、依頼する際の労力はほとんどなくなるかもしれません。
世間的にも翻訳の需要が増加傾向にあり、仕事によっては翻訳を多用する人々もいるでしょう。スムーズに高品質な成果物が得られるように、依頼のポイントを掴んでもらえればと思います。