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翻訳の種類、新たな翻訳の概念“トランスクリエーション”

ビジネスやマーケティングの現場で求められる翻訳は、単にひとつの言語から別の言語へ文章を置き換えるだけの作業ではなく、訳文が実際に使用される場面で期待通りの効果を生み出せることが重要となります。これを実現するため、翻訳手法の分類としてよく言われる「直訳」と「意訳」に加えて、翻訳業界で新たに重視され始めている「トランスクリエーション」という概念があります。

直訳とは、個々の単語や文の意味を原文と訳文でほぼ同様になるよう、語順なども可能な限り変えることなく文章を翻訳するものです。一部の特許翻訳や技術的な文書など、限られた分野を除いては基本的に実務翻訳で用いられることはほぼありません。

一方で、意訳とは原文の全体的な意味を尊重しながらも必要に応じて単語や語順、表現などを変更し、ネイティブ話者によって書かれた文章とほとんど区別がつかない程度にまで手直しすることです。こういった作業は大半の実務翻訳の中で当然のこととして行われており、いわゆる「普通の翻訳」であると言えます。

しかし、対象とする読者やユーザーによる言葉の受け止め方には文章表現だけでなく文化的背景なども影響してくるため、単に文章を整えるだけでは、どうしても受け手にとって翻訳特有の違和感が消しきれない場面も出てきます。そこでもう一歩進めて、原文の言葉としての意味や内容に囚われることなく、その場面に最も適する翻訳先言語のテキストを「創造」する。それが、translation(翻訳)とcreation(創造・創作)を組み合わせた造語であるトランスクリエーション(transcreation)という概念です。

Abstract person clicks on the display with the word translate and foreign language choice.

一例として、スマホアプリのローカライズのため日本語からの英訳を行う例を考えてみましょう。ユーザーがキャンペーンへの登録を行うためのボタンに、「エントリー受付中」というテキストが添えられているとします。これを直訳すると、たとえば「Entries are being accepted」となります。もう少し自然な英語となるように意訳すれば、「Now accepting entries」といったように変えることもできるでしょう。

さらに進めてトランスクリエーションの概念を適用し、このボタンの表示を「Enter now」としてみてはどうでしょうか。翻訳前の「受付中」という単語はもはや訳出されていませんが、スマホアプリという文字数や表示領域も限られた媒体で実際にユーザーに行動を促す表示としてはより訴求性が強く、エントリーを受け付けるという目的を達成できる可能性が高くなる翻訳だと言えると思います。

翻訳者がトランスクリエーションを行うためには、翻訳元と翻訳先の両言語に精通しているだけでは不十分であり、翻訳先の言語が使われる国の社会背景や慣習、嗜好性、タブーなども十分に把握していることが必要となります。TMJ JAPANでは、例えば英訳を行う翻訳者であれば英語圏の在住者を優先的に登録するなど、トランスクリエーションを実現する体制を整えることを意識しています。

翻訳対象の文書によってはある程度原文に忠実な意訳が最適な場合もあれば、原文に囚われないトランスクリエーションが最適な場合もあります。翻訳をご依頼いただく顧客との事前のご相談や熟練の翻訳コーディネーターによる判断を通して、各案件のニーズに応じてベストだと考えられる翻訳手法を採用させていただきます。

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