翻訳は業務委託するべき?依頼先を選定する際の重要ポイント

翻訳は業務委託するべき?依頼先を選定する際の重要ポイント

近年加速しているグローバル化に伴い、企業における翻訳ニーズは急速に高まっています。しかし、社内で翻訳業務を完結させることは、コストや人材確保の面で大きな課題となっています。そこで注目されているのが、翻訳業務の外部委託です。本記事では、翻訳の業務委託について、その特徴から具体的な手配方法まで、実践的な情報をご紹介します。

目次

翻訳業務を委託するメリット

翻訳業務の外部委託には、多くのメリットがあります。最も大きな点は、コストの最適化です。正社員として翻訳者を雇用する場合と比べて、人件費を大幅に削減できます。また、必要な時に必要な量だけ依頼できるため、業務量の変動にも柔軟に対応できます。

さらに、専門性の高い翻訳が必要な場合でも、各分野のエキスパートに依頼することで、高い品質を確保できます。医療、法務、技術など、特定の専門知識が必要な分野でも、適切な翻訳者を選択することが可能です。以下に、翻訳を外部委託することによるメリットを詳細にまとめました。

品質面でのメリット

翻訳業務を専門の事業者に委託することで、各分野に精通したプロフェッショナルによる高品質な翻訳成果物が実現できます。特に専門性の高い分野では、業界用語や専門知識を熟知した翻訳者が担当することで、正確で信頼性の高い翻訳が可能となります。

さらに、ネイティブスピーカーによるチェックを経ることで、より自然な表現や文化的な背景を考慮した適切な翻訳を実現できます。また、専門の翻訳会社では、複数の専門家による重層的なレビュープロセスが確立されています。

用語の統一性を確保するための管理システムや、過去の翻訳資産を活用できる翻訳メモリの導入により、一貫性のある高品質な翻訳を維持することができる点も業務委託をした場合の品質面のメリットと言えるでしょう。

業務効率化のメリット

翻訳業務を外部委託することで、社内スタッフは本来の業務に専念することができます。また、専門の翻訳者の採用や育成にかかるコストと時間を削減でき、より効率的な人材配置が可能となります。繁忙期には、必要に応じて翻訳リソースを柔軟に調整できる点も大きなメリットです。

また、グローバルな翻訳ネットワークを持つ専門会社に委託することで、80カ国以上の言語に対応することが可能です。マイナー言語への翻訳ニーズにも迅速に対応できるなど、社内リソースでの実現が難しいところまでカバーすることができます。

コスト面でのメリット

翻訳の業務委託では、必要な時に必要な量だけ依頼できる柔軟な費用体制が特徴です。文字数に応じた明確な料金体系により、コストの予測と管理が容易になります。社内リソースの場合、月給で雇っているため割安になるケースもありますが柔軟性には欠けるでしょう。

また、社内で翻訳者を雇用する場合と比較して、人件費や福利厚生費などの固定費を大幅に削減することができます。特に、翻訳量が変動する場合や、用途・種類が多岐にわたる場合、また複数言語への対応が必要な場合には、業務委託によるコストメリットが顕著となります。

付加価値サービス

翻訳会社は単なる翻訳だけでなく、レイアウト調整やDTP作業まで一貫して対応することができます。また、専門用語の管理や翻訳済みコンテンツの効率的な再利用など、翻訳業務全般をトータルでサポートします。これにより、社内での作業負担を大幅に軽減することが可能です。

また、専門の翻訳会社では、機密情報の取り扱いに関する厳格な管理体制が整備されています。情報漏洩を防ぐための各種セキュリティ対策や、法的保護の確保など、安全な翻訳環境が提供されることはメリットと言えます。

翻訳を業務委託する際のチェックポイント

翻訳を業務委託する場合に重要となるのが、業務委託先の信頼性です。業務委託をするメリットは大いにありますが、委託先の実力次第ではマイナスに働いてしまうかもしれません。そこで、業務委託先を探す際のチェックすべきポイントを解説します。

翻訳者の専門性

翻訳の品質は、担当する翻訳者の専門性に大きく左右されます。特に医療、法務、金融、IT、製造業などの専門分野では、その業界特有の専門用語や表現への深い理解が不可欠です。例えば、医療分野では医学的な知識を持つ翻訳者が必要であり、法務分野では法律用語に精通した翻訳者が求められます。翻訳会社の選定時には、対象分野での実務経験を持つ翻訳者が在籍しているか、また、その分野での翻訳実績が豊富かを詳しく確認する必要があります。

ネイティブチェック体制

高品質な翻訳には、ネイティブスピーカーによる厳密なチェックが不可欠です。単なる言葉の置き換えではなく、その言語圏の文化的背景や慣習を考慮した自然な表現が求められるためです。優れた翻訳会社では、翻訳、編集、ネイティブチェックという3段階のプロセスを確立しており、各段階で専門家による入念なチェックが行われます。また、最終成果物の品質を評価する基準や、問題が見つかった場合の修正プロセスについても確認をしておくと良いでしょう。

機密保持の確認

企業の機密情報や個人情報を含む文書の翻訳では、情報セキュリティの確保が最重要課題となります。翻訳会社のセキュリティ対策として、データの暗号化、アクセス制限、従業員教育などの具体的な施策を確認する必要があります。また、ISO27001などの情報セキュリティマネジメントシステムの認証取得状況も重要な判断材料となります。機密保持契約(NDA)の締結時には、情報の取り扱い範囲、保管期間、破棄方法などについて詳細な取り決めを行うことが重要です。

支払条件と修正対応

翻訳料金は文字数や作業内容によって変動するため、見積もり時点で詳細な条件を確認することが重要です。特に注意が必要なのは、修正対応の範囲と追加費用の発生条件です。一般的な誤訳の修正は無償で対応されることが多いですが、クライアント都合による修正や大幅な変更については追加費用が発生する可能性があります。また、支払いのタイミングや方法、分割払いの可否なども事前に明確にしておく必要があります。

情報共有の方法

効果的にプロジェクトを進行するためには、クライアントと翻訳会社の間で緊密な情報共有が不可欠です。翻訳の目的、ターゲット、使用環境、希望する文体やトーンなど、詳細な要件を明確に伝える必要があります。

また、参考資料や用語集、スタイルガイドなどの提供方法、フィードバックの方法についても具体的な取り決めが必要です。プロジェクト管理ツールやクラウドストレージの活用など、効率的な情報共有の仕組みも重要なポイントとなります。

進捗管理の仕組み

大規模なプロジェクトや継続的な翻訳業務では、進捗状況を適切に管理する仕組みが重要です。翻訳会社が提供するプロジェクト管理システムの機能や、進捗報告の頻度、形式を確認する必要があります。また、締切遅延のリスクに備えて、早期警告システムや代替リソースの確保など、緊急時の対応体制についても確認が必要です。担当者の不在時や緊急の問い合わせに対応できるバックアップ体制の整備も重要なポイントです。

過去の実績確認

翻訳会社の選定において、過去の実績は最も重要な判断材料の一つとなります。同業種での翻訳実績、特に類似プロジェクトの経験は、品質と信頼性を判断する上で重要な指標となります。実績確認の際は、具体的な成功事例や顧客の評価、リピート率などの客観的なデータを求めることが重要です。また、可能であれば実際の翻訳サンプルを確認し、品質レベルを評価することをお勧めします。

品質保証体制

翻訳会社の品質保証体制は、ISO17100などの国際認証の取得状況で客観的に評価することができます。これらの認証は、翻訳プロセスの標準化や品質管理体制の整備を証明するものです。また、品質管理マニュアルの整備状況、翻訳者の資格要件、品質評価の基準と方法、クレーム対応の手順なども確認が必要です。継続的な品質改善の取り組みや、翻訳者の教育研修制度の有無も、長期的な品質維持の観点から重要なポイントとなります。

これらのチェックポイントを確認することで、最適な委託先の選定に役立つでしょう。
これらのチェックポイントを確認することで、最適な委託先の選定に役立つでしょう。

業務委託先のお探しは早めの行動が大切

初めての業務委託先を探す場合、最低でも3〜4ヶ月は準備期間が必要になることは念頭においておきましょう。社内で委託する業務の範囲を具体的に定義し、必要な専門知識を特定した上で、複数の委託先候補との打ち合わせを行い、最適なパートナーを選定します。ここまでで約3週間を見込む必要があります。

次に契約手続きと準備の段階に入ります。ここでは見積もりの取得と価格交渉、契約書の作成と確認、機密保持契約(NDA)の締結などを行います。これらの手続きには約2週間が必要です。

実作業期間は案件の規模によって大きく異なりますが、小規模案件であれば納期の3週間前、中規模案件では2ヶ月前、大規模案件では半年前からの発注が必要となります。特に初めての業務委託では、委託先との意思疎通や作業プロセスの確立に予想以上の時間がかかることがあります。

最後に検収期間として2週間から1ヶ月程度を確保しておきましょう。この期間で成果物の品質確認や必要な修正対応を行います。初回の取引では入念なチェックが必要となるため、十分な時間を確保することが重要です。

注意点

業務委託を成功させるためには、いくつかの重要な注意点があります。まず、納期まで1週間以内の急な案件は、適切な品質管理が困難となるため、可能な限り避けるべきです。また、予期せぬ事態に備えて、実際の納期より1ヶ月程度前を社内の納期として設定することを推奨します。

支払いに関しては、一般的に成果物受領後60日以内に設定する必要があります。この期間設定は、検収作業と社内の支払い手続きに必要な時間を考慮したものです。初回の取引では特に、これらの期間に余裕を持たせることで、スムーズな業務進行が可能となります。

翻訳の業務委託ならTMJ JAPANにお任せください!

翻訳の業務委託は、適切に計画し管理することで、企業のグローバル化を効果的にサポートするツールとなります。本記事で解説した手順に従い、自社に最適な委託先を選定し、効率的な運用を実現してください。

しかし、依頼先の選定にも高度な専門性が求められることもあり、難航してしまうケースも少なくありません。翻訳業界では、問い合わせ窓口となるコーディネーターに専門性が高い人材が少ない傾向にあり、選定が難航する要因の一つにもなっています。

弊社TMJ JAPANでは、コーディネーターに経験豊富なプロフェッショナルを配置することで、最適なご案内が可能です。翻訳の業務委託をご検討の際は、ぜひTMJ JAPANにご連絡ください。

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